輸入水産原料の検査体制|輸入届出・モニタリング検査・検査命令の実務

エスケイ・インターナショナル株式会社

輸入された甲殻類原料が、どのような手続きと検査を経て国内に入ってくるのか。調達担当者から仕入先へ確認する場面や、取引先の品質保証部門から説明を求められる場面で、この流れを押さえておくと話が早くなります。

本稿では、食品等の輸入手続と、輸入時に行われる検査の種類について、厚生労働省が示す枠組みに沿って整理します。えび・かに原料の調達実務でどう関わってくるかという視点も添えました。

輸入届出は食品衛生法第27条に基づく義務

販売または営業上使用する目的で食品等を輸入する場合、輸入者には輸入届出の義務があります。厚生労働省は「食品衛生法第27条に基づき、輸入者に対して輸入届出の義務が課せられています」と示しており、届出は検疫所で受け付けられます。

届出を受けた検疫所では、食品衛生監視員がその食品等が法に適合しているかを審査し、検査の要否を判断します。つまり、輸入されるすべての貨物が同じように検査されるわけではなく、審査の結果に応じて扱いが分かれる仕組みです。

輸入時の検査は性格の異なる3つがある

調達実務で混同されやすいのが、検査の種類です。それぞれ目的も費用負担も、貨物を動かせるタイミングも異なります。

▶ モニタリング検査

厚生労働省は、モニタリング検査の目的を「多種多様な輸入食品等について、食品衛生上の状況について幅広く監視し、必要に応じて輸入時検査を強化する等の対策を講じることを目的」としています。年間の計画に基づいて実施される、いわば全体の状況を把握するための検査です。

実務上重要なのは、この検査では「検査結果の判明を待たずに輸入することができます」とされている点です。ただし結果として違反が判明した場合には、回収などの措置が必要になります。

▶ 検査命令

検査命令は「法違反の可能性が高いと見込まれる食品等」を対象に、輸入者へ命じられる検査です。費用は「輸入者が費用負担し」、さらに「検査結果判明後、適法と判断されるまで輸入は認められません」とされています。

モニタリング検査との最大の違いはここです。検査命令の対象になった場合、検査結果が判明し適法と判断されるまで、その貨物は輸入が認められません。納期に直結するため、調達側としては対象品目の動向を把握しておく意味があります。

▶ 自主検査(指導検査)

自主検査は「国が輸入者に対して定期的な(初回輸入時を含む)実施を指導する検査」と位置づけられています。初めて輸入する品目や、定期的な確認が求められる場面で実施されるものです。

3つの検査の違いを調達目線で整理する

同じ「検査」でも、納期と原価への影響が異なります。整理すると次のようになります。

モニタリング検査は国の計画に基づくもので、結果を待たずに輸入できるため、通常はリードタイムへの影響が限定的です。一方、検査命令は輸入者の費用負担で、しかも検査結果が判明し適法と判断されるまで輸入が認められません。ここが読めないと、生産計画に影響が出ます。

自主検査は、初回輸入時などに指導されるもので、新規サプライヤーや新規産地からの切り替えを検討する際に想定しておくべき工程です。

甲殻類原料の調達で確認しておきたい点

えび・かに系の加工原料を調達する際、仕入先に確認しておくと判断材料になる項目があります。

▶ 産地とサプライヤーの継続性

同じ品目でも、産地やサプライヤーが変われば輸入時の扱いが変わり得ます。安定調達を考えるうえでは、産地の切り替えが発生した場合にどのような手続きが生じるかを把握しておくことが有効です。

▶ 検査記録・成績書の入手可否

取引先の品質保証部門から求められる情報の粒度は、年々細かくなっています。どの段階の検査記録を、どの程度の期間で入手できるのかを、あらかじめ確認しておくとやり取りが円滑になります。

▶ 表示に関わる情報

えび・かにはアレルギー表示の対象となる特定原材料に含まれます。原料の切り替えや配合変更の際は、表示への影響も同時に確認が必要です。

安定調達には仕入先の実務体制が効いてくる

輸入時の手続きと検査は、制度としては輸入者側の責任範囲です。しかし納期の読みやすさや、求められた情報をどれだけ早く出せるかという点で、その体制は調達側の業務に直接影響します。

エスケイ・インターナショナル株式会社は、創業37年にわたり甲殻類の加工原料を輸入・卸販売してきました。カナダ産ロブスターのえびみそ、アイルランド産ブラウンクラブのかにみそをはじめとする原料について、産地や規格のご相談に対応しています。

取扱い原料の詳細はえびみそ・かにみそについてをご覧ください。原料の切り替えや新規採用をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。