国産ズワイガニの漁獲量減少と輸入依存の高まり|かに原料調達の視点

エスケイ・インターナショナル株式会社

かにを原料とする加工食品の調達では、輸入原料の動向だけでなく、国産かにの供給がどう推移しているかを押さえておくことが重要です。実は、国産の主力であるズワイガニの漁獲量は長期的に減少傾向にあり、日本のかに消費は輸入に大きく依存する構造が続いています。本記事では、国産かにの漁獲動向と輸入依存の背景を、原料調達の視点から整理します。

国産ズワイガニの漁獲量は長期的に減少傾向

日本海側を代表するかにであるズワイガニの漁獲量は、1960年代半ばから1970年ごろにかけて1万4,000トンを超えるピークを迎えましたが、その後急減し、1988〜1993年には2,000トンを下回る水準まで落ち込みました。1990年代半ば以降はいったん回復し、2007年には5,000トン近くまで戻したものの、その後は再び減少しています(農林水産省「漁業・養殖業生産統計」ほか)。

資源管理による漁獲枠(TAC)の引き下げ

近年は資源保護のための管理も強化されています。水産庁は、富山県から島根県にかけての日本海沿岸を対象に、ズワイガニの年間漁獲枠(TAC)の上限を従来から約19%引き下げ、3,000トンとする方針を決めました。海流の変化などの影響で2027年には成体のカニが半分程度まで減少する恐れがあるとされ、先んじて資源を守る動きです。ズワイガニ漁業は、農林水産省令による漁期・サイズ規制、TAC法によるTACの設定、漁業者の自主協定という「三階建て」の体制で管理されています。

▶ 資源回復の動きもある
一方で、漁業者による小型ガニの保護などの取り組みにより、日本海系群の推定資源量は2022年の約1万2,000トンから2025年には約2万8,000トンへ回復したとの評価もあります。ただし漁獲枠の引き下げが示すように、当面は国内で獲れる量を計画的に抑えながら資源を守る局面が続く見通しです。

国内供給の限界と、輸入に依存する日本のかに事情

こうした資源管理のもとでは、国産かにの供給量は歴史的なピーク時のようには戻りにくく、計画的に抑制される局面が続きます。その一方で国内のかに需要は底堅く、結果として日本のかに消費の多くは輸入に支えられているのが実情です。タラバガニやズワイガニなどの輸入では、上位3か国で全体の6〜9割を占めるなど、特定の輸入先国への依存が顕著です(水産庁)。

また、国産のズワイガニ漁は冬季を中心とした季節性が強い一方、加工や外食の現場では通年で安定した数量が求められます。この需給のギャップを埋めるうえでも、輸入原料は欠かせない存在になっています。

▶ 輸入されるかにの主な内訳
日本が輸入するかにには、タラバガニやズワイガニ、ベニズワイガニのほか、かにみそなどの加工原料に用いられる欧州産のブラウンクラブ(イチョウガニ)などがあります。生食・ボイル向けの脚肉から加工用途まで、国産だけではまかないきれない幅広い需要を、輸入原料が支えています。

調達リスクと安定供給という視点

輸入先が特定の国に集中している状態は、供給量や価格が、その国の漁獲事情・規制・国際情勢の影響を受けやすいことを意味します。実際に2022年以降は、経済制裁の影響でロシア産の流通や価格が大きく動き、主力の輸入品の卸値が前年に比べ大きく下がる場面もありました。原料の安定確保という観点では、産地の分散や、信頼できる輸入ルートの確保がこれまで以上に重要になっています。

とりわけ、かにみそのように特定の部位や魚種を用いる加工原料は、その魚種の産地が海外に偏ることも少なくありません。国産かにの供給が管理下で限られるなかでは、加工原料の安定確保という面でも、海外の産地と継続的につながる調達体制の重要性が増しています。

かに・えびの輸入原料調達は実績37年の当社へ

エスケイ・インターナショナル株式会社は、海産物加工原料の輸入卸として37年の実績を持ち、世界各国から安定的に水産原料を調達しています。アイルランド産のブラウンクラブを原料とするかにみそ原料など、産地と直接つながる調達網を強みとしています。

国産供給が限られるなかで、えびみそ・かにみそ原料の安定調達や商品開発をご検討の際は、お気軽にご相談ください。輸入原料の品質管理については輸入水産原料のトレーサビリティもあわせてご覧ください。

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