ベニズワイガニの産地と輸入事情|かに加工原料の安定調達に向けた視点

エスケイ・インターナショナル株式会社

かに加工原料の調達において、本ズワイガニと並んで欠かせない存在が「ベニズワイガニ」です。棒肉やかにみそ、むき身といった加工原料の主力として広く使われる一方で、産地や漁期、輸入の実情は本ズワイガニとは異なります。エスケイ・インターナショナル株式会社では、えびみそ・かにみそをはじめとする甲殻類の加工原料を輸入卸販売しており、原料の特性を正しく理解したうえでの調達をご提案しています。本記事では、ベニズワイガニの産地と輸入事情を整理し、かに加工原料を安定的に調達するための視点を、原料調達のご担当者向けに解説します。

ベニズワイガニとは|本ズワイガニとは別種の深海性のかに

ベニズワイガニ(学名:Chionoecetes japonicus)は、本ズワイガニ(学名:Chionoecetes opilio)とは別種のかにです。同じズワイガニ属に分類されますが、生息する水深も見た目も異なり、加工原料としての位置づけも区別して考える必要があります。

▶ 生息域と見た目の違い

ベニズワイガニは水深およそ500〜2,500メートルの深海に生息します。これに対して本ズワイガニの生息水深は180〜350メートル前後とされ、ベニズワイガニのほうがはるかに深い海に暮らしています。名前のとおり、ベニズワイガニは茹でる前の生の状態から鮮やかな紅色をしているのが特徴で、薄い赤褐色をしていて茹でることで赤くなる本ズワイガニとは、外見で見分けることができます。

▶ 身質と価格帯

ベニズワイガニは本ズワイガニと比べて身に水分を多く含み、価格も相対的にリーズナブルに取引されます。高級食材として姿売りされる本ズワイガニに対し、ベニズワイガニは棒肉・むき身・かにみそといった加工原料として広く流通しており、コストと供給量の両面から加工食品の原料に向いた品目といえます。

主な産地と漁期|山陰を中心とした日本海の水揚げ

国産ベニズワイガニの供給を理解するうえで、まず押さえておきたいのが産地の分布です。加工原料の調達計画を立てる際には、どの地域でいつ水揚げされるかを把握しておくことが欠かせません。

▶ 産地と漁獲量

ベニズワイガニは日本海側を中心に分布し、主な産地は山陰地方の鳥取県・島根県・兵庫県、次いで北陸や新潟県、北海道です。農林水産省の資料によると、平成30(2018)年の主な漁獲地の漁獲量は、鳥取県2,738トン、北海道2,188トン、新潟県2,088トン、島根県2,039トンとなっており、山陰地方が中心的な産地であることがわかります。なかでも鳥取県の境漁港(境港市)は、ベニズワイガニの水揚量が全国一位で、加工施設も集中する一大集積地となっています。

▶ 漁期と漁法

ベニズワイガニの漁期は、境港市などの主産地でおおむね9月から翌年6月までとされ、かにかご(かご漁)によって漁獲されます。本ズワイガニの漁期が冬季に集中するのに対し、ベニズワイガニは比較的長い期間にわたって水揚げされる点は、原料の調達スケジュールを組むうえで押さえておきたい特徴です。

輸入と資源管理|供給の安定性を左右する要素

加工原料としてのベニズワイガニは、国産だけでなく輸入品も供給を支えています。安定調達を考えるうえでは、輸入の実情と資源管理の枠組みの両方を理解しておくことが重要です。

▶ ロシア産などの輸入

活けのベニズワイガニは、ロシア産などを中心に年間を通して国内へ入荷しています。一般に、寒い時期の国産品は価格が高くなりやすい一方、輸入品は比較的安価に流通する傾向があり、国産と輸入を組み合わせることで、季節による価格変動や供給量の波を平準化しやすくなります。加工原料を切らさず確保するうえで、輸入ルートの存在は調達の選択肢を広げる要素です。

▶ TAC・IQによる資源管理

ベニズワイガニを含むかに資源は、「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律」(TAC法)に基づく漁獲可能量(TAC)制度のもとで管理されています。さらに、日本海べにずわいがに漁業に対しては、漁業者や漁船ごとに漁獲枠を割り当てるIQ方式(個別割当方式)が国によって導入されています。こうした資源管理は、中長期的に安定した供給を維持するための枠組みであり、原料の需給を見通すうえでも背景として理解しておく価値があります。産地や輸入元の情報を含めた原料のトレーサビリティを重視する姿勢は、欧州産のかにみそ原料であるブラウンクラブなど、他の甲殻類原料の調達にも共通する考え方です。

加工原料としてのベニズワイガニ|調達で押さえる用途と特性

ベニズワイガニは「捨てる部分がない」といわれるほど利用価値が高く、加工原料として多彩に活用されています。用途ごとの特性を理解することが、無駄のない調達につながります。

▶ 棒肉・爪肉・かにみそ・むき身

ベニズワイガニからは、棒肉や爪肉、かにみそといった冷凍食品が製造されるほか、大量のむき身が生産され、インスタント食品や冷凍食品の原料として幅広く使われています。さらに、身を取り出したあとの殻はキチン・キトサンの原料として、医療・健康食品分野などにも利用されます。こうした部位ごとの用途を理解しておくことで、必要な形態の原料を過不足なく調達しやすくなります。

▶ 調達担当者が確認すべき点

ベニズワイガニを加工原料として調達する際は、産地(国産か輸入か)、供給時期、原料の形態(棒肉・むき身・かにみそ等)を明確にしたうえで、想定する製品にどの特性が適しているかを見極めることが大切です。かにみそ原料としての風味や用途については、えびみそ・かにみそについてのページもあわせてご確認ください。

甲殻類の加工原料調達はエスケイ・インターナショナルへ

エスケイ・インターナショナル株式会社は、創業以来37年にわたり、えびみそ・かにみそをはじめとする甲殻類の加工原料を世界から輸入し、日本の食品メーカー様へお届けしてまいりました。ベニズワイガニのような加工原料は、産地や輸入の事情、用途ごとの特性を踏まえた調達が、製品の品質と原価の安定につながります。かに・えび系の加工原料の選定や安定調達でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。用途やご要望をうかがったうえで、最適な原料をご提案いたします。